アモーレス・ペロス
「世界の真中で愛を叫んだ犬たち」
メキシコシティーの町を疾走する1台の車。運転席には狂ったように叫ぶ若い男オクタビオ。何も気付かずに車を発進させる美しい女バレリア。何匹もの野良犬を連れて交差点を横切る初老の浮浪者エル・チーボ。2台の車が運命の交差点に差し掛かったとき、3人の人生は思わぬ方向に走り出す。
2000年東京国際映画祭コンペティション部門グランプリ受賞作品。オープニング・シーンから、オクタビオ、バレリア、エル・チーボをそれぞれ主人公とする3つのストーリーがほぼ同じ時系列で展開される。複数のストーリーが展開し、収束していくという意味では「パルプ・フィクション」 を思い起こさせる部分もあるが、「パルプ〜」 がある意味"メビウスの輪"のような展開であったのに対し、この作品は個々のストーリーは独立しているものの、交差点で交わり(それ以外にもクロスしているシーンが局所に散りばめられている)、そしてそこからそれぞれの終幕(このそれぞれの終幕が何とも痛い"愛"だったりする)へと向かっていくという展開。
この展開の仕方が絶品。実はここのところ死にそうに疲れが溜まっていて、最初の20分くらいは意識が飛んでいた(汗)。しかし、徐々にストーリーが進んでいくに連れてその情熱的でスピーディーな展開に息を呑み、いつしか眠気など完全に吹っ飛んでいたあっという間の2時間半だった。
また、タイトルの"amores perros"とは直訳すると"犬のような愛"だそうで、それぞれのストーリーには犬が重要な役回りで登場する。この犬の使い方がまた巧妙で、作品に見事なアクセントを加えている。いや〜、こういうドキドキワクワクするような作品と出会えてあたしは嬉しいよ♪