青い春
新世代の不良たち、それぞれの「青い春」
男子校、朝日高等学校の卒業式の日。ワルの先輩たちが、3年間の恨みを晴らそうと教師を追いかけて走っている。そんな風景を屋上から眺めるのは、新学期から3年になる九條たち。屋上にはもっと空に近い場所、最屋上があり、そこで彼らが楽しむのは、柵の外に立ち手をたたく回数を競う通称"ベランダ・ゲーム"。失敗すれば校庭にまっさかさま。勝者が学校を仕切るという、この伝統のゲームで、8回の新記録を出した九條だが、彼にとっては"ゲーム"も"学校を仕切る"ということも、無意味で、どうでもいいことだった。そして、新学期が始まった。それは、進学、就職・・・・・突きつけられる現実の中で、自分の行き場を探すことを余儀なくされるときの始まりでもあった・・・。
松本大洋原作の漫画を、今後の活躍が期待される若手俳優たちで固めて描いた若者たちの群像劇。ここで描かれる行き場のない若さを持て余すような一見無軌道な若者たちの日常(ミッシェル・ガン・エレファント の楽曲が妙にマッチしてるんだよね〜)に、共感できるかどうかでこの作品に対する評価が変わってくるかもしれない。特に、決して彼らを美化して描いているわけではなく、あくまでも淡々と描いているので、感じ方は観客それぞれに委ねられているとでも言おうか。
あたしの場合、自分の高校生活を思い起こすと、ひたすら受験勉強と部活に明け暮れて、一見彼らとは正反対の日常を送っていたかのように見えたかもしれない。しかし、その内側には、常に悶々としたものを抱え、いつもピリピリしていたのも事実(この辺のことは、「アメリカン・ヒストリーX」 のレビューで触れてます)。だから、彼らに思いっきり共感できるというわけではないけど、彼らが感じる虚無感、息苦しさみたいなものは何となく分かるような気がする。とはいえ、描写とかがときにはキツく感じるところもあるから、そういった部分も含めての賛否というのは分かれるかもね。
一方、この若者たちを演じる若手俳優たちはどうかというと、主演の九條を演じる松田龍平を筆頭に、確かに粗削りながらも光る部分が随所に見受けられる。松田龍平も、演技はまだまだこれからだとは思うが、とっても雰囲気がある。ますます父親である松田優作に似てきたな〜って思ったりして。あと、売店のオバチャン役で小泉今日子が出てたのにはビックリ!
でも、作品中で何度か出てくる"ベランダ・ゲーム"、高所恐怖症のあたしには絶対に出来ない。これが出来なきゃ学校を仕切れないんだったら、あたしゃず〜っとパシリでいいですぅ(爆)。