アメリカン・サイコ
「僕は最高に満ちたりている」
パトリック・ベイトマンは27歳にして、ウォール街の一流証券会社の副社長を務める身。なにもかもが満ちたりた生活を送るはずの彼だったが、どうにも満たされない心の渇きを感じていた。そして、とうとう殺人への衝動を抑えきれなくなり・・・。
アメリカ文学史上最大の問題作の完全映画化!というキャッチだったりするわけだけど、確かに誰もが羨む超エグゼクティヴの深い心の闇、それを結構スタイリッシュな映像の中に描ききったという意味で、評価はできると思う。
しかし、この"殺人"という行為よりも、作品の小道具的演出に笑わせてもらった。だって、お互いに名刺のデザインを競ったり、一日の仕事が超有名レストランを顔パスで予約することだったり(マトモに仕事するシーンなんてないぢゃん)、いかにも80年代のバブリーなビジネスマンって感じで、日本でもバブルの時代ってこ〜だったよね〜って、思わず「そうそう!」って唸っちゃった。そして、なによりも可笑しかったのは、音楽に対するうんちくを炸裂させてるシーン。ヒューイ・ルイス&ザ・ニュースやフィル・コリンズに関するうんちくなんて、「誰も聞いてねぇぢゃん!」って、突っ込みいれたくなったりして(^^)。で、ヒューイ・ルイスのうんちく語りながら斧を振り下ろす、これは結構コワイかも。あと、オネェちゃんとのSEXの最中に鏡に映った自分のマッチョな身体見ながら陶然としてポーズとるって、完全にバカじゃん(爆)。
ただ分からないのが、あのラスト。果たしてベイトマンは本当に殺人を犯したのか、どこまでが日常でどこまでが非日常だったのか、その境目が判別できず、深い迷宮に迷い込んでしまったような、そんな錯覚を覚える決して後味スッキリという作品ではないやね。