イルマーレ
「海辺の家〈イルマーレ〉で受け取ったのは、未来から出された消印のない手紙・・・」
1999年、失恋で傷ついた女性ウンジュは、思い出に溢れた海辺の家〈イルマーレ〉を離れようとしていた。次に住む人に自分宛の手紙が届く筈なので転送してもらいたいというメッセージを残して。しかし、それが時を超え、1997年に〈イルマーレ〉に住む青年ソンヒョンのもとに届いてしまう。最初はイタズラだと思ったふたりも、本当に時間がずれていることを理解し、2年の時を隔てた文通を続け、いつしか"恋"に変わっていく。この2年の時を超えて、ふたりは出逢うことができるのだろうか・・・。
最初に登場する〈イルマーレ〉の映像がとっても綺麗。そして、インターネット全盛の今の世の中で、e-mailではなく、手紙で交信するというのがかえって新鮮な気がする。しかも、そこに"2年"という時間の隔たりを設定することで、ファンタジックな雰囲気が醸し出される。そう、この作品はファンタジーなんだと思う。だから、ふたりがこの"2年"という時間の隔たりを信じてしまったって、不思議ではない。モチロン、ウンジュは恋人と、ソンヒョンは父親との関係に悩んでいて、もしかしたら何かにすがりたい、そんな気持ちがあったからかもしれないけれど(穿ち過ぎかな?)。
この徐々に相手に心を開き、お互いに惹かれ合っていくふたりを、瑞々しい感性で演じているイ・ジョンエとチョン・ジヒョンにも好感が持てるし、"ミレニアム・ワイン"などの小道具も微笑ましい。でも、お互い好きなのに、会いたいのに会えないのってなんだか切ない・・・。
2000年3月に済州島で会おうという約束が果たされなかったとき、もしかしたらソンヒョンが・・・という予想は当たってしまい、結局は"悲恋"で終わってしまうのか・・・と思ったら、あのラスト。もしかしたら反則だという声も聞こえてくるかもしれないけれど、この作品はファンタジーなんだから、やっぱこうでなくっちゃ。ラストで「僕の話、信じてくれる?」というセリフとともに見せるソンヒョンのはにかんだ笑顔、印象的だったな〜。