オー
「僕は・・・・失敗作なのか?」
アメリカ、全寮制エリート高校。バスケットボール部のヒューゴとオーディンは親友だったが、何においても自分より優れているオーディンに対しヒューゴは憧れと共に嫉妬心を抱いていた。あることをきっかけにして憧れと嫉妬心のバランスが崩れたヒューゴは、どんな手を使ってでもオーディンを破滅させることを誓う。しかし、それはヒューゴ自身の悲劇の始まりだった・・・。
シェークスピアの悲劇「オセロー」 を下敷きにして、舞台を現代に置き換えた作品。監督が「オー・ブラザー!」 でトボけた味を出していたティム・ブレイク・ネルソンということで、彼と"悲劇"とがなかなか結びつかなかったんだけど、いやいやどうして。なかなか重厚な作品に仕上がっている。
自分よりも優れた人間に対する"憧れ"と"嫉妬"が入り混じった感情って、誰しも心の中に持っていると思うんだけど(あたしの場合は常に"嫉妬"の方が強いかな?ってことは結構ヤバイかも)、それがエスカレートして"嫉妬"が勝り、人間として壊れてしまったときの醜さ、哀しさが表現されている。でも、現実の世の中でもこうやって他人を貶めようとすることってあるような気がする。それだけ今の世の中も狂ってるってことか。
ヒューゴがオーディンに対して仕掛ける罠は、狡猾なようでいて結構穴があったりする。そこが高校生だったりするわけだけど、相手のオーディンも同じく高校生。疑いながらもヒューゴの仕掛けた罠に徐々にハマっていくのがなんとも哀しい。そして、ちょっとした綻びから転がるように導かれるラストの悲劇、「オセロー」 が下敷きだけに容易に想像はできたけど、なんとも痛く後味がスッキリしない。
一方、ヒューゴを演じるジョシュ・ハートネット、初の"汚れ役"ということでナイーブさの中に"嫉妬"の感情を浮き上がらせるその演技は興味深く、今後の演技の幅を広げる切っ掛けになるかもしれない。でも、あのルックス、そして優しい瞳からはなかなか悪人に見えないという点がマイナスかも(^^;)。