踊る大捜査線 THE MOVIE
「湾岸署史上最悪の3日間!」
ご存知、TVシリーズの映画化。シチュエーションはTVのスペシャル版から続いているから、TVシリーズを見ている人はモチロン、見ていない人でも十分楽しめる作品に仕上がっている。
川で引き上げられた水死体、警視庁副総監誘拐事件、そして湾岸署内で起こる盗難事件、ストーリーはこの3つの事件を中心に進んでいく。
TVシリーズよりスケール・アップしているものの、青島クンや室井さん、すみれさんに和久さんなどの登場人物はいつものままだし、警察組織の硬直したダメさ加減も相変わらず。このいつものままというのが、逆に安心して観ていられる理由だろう。
いつもどおり笑わせてくれるところはしっかり笑わせてくれ、今回はラストに思わずホロリとさせられる。
基本的に日本映画って観ないんだけど、この作品に関してはTVシリーズにハマっていたので迷わず映画館に足を運んだ。期待どおりの肩の凝らない作品で、十分堪能できたと思う。でも、Kyon2がレクター博士的な役割を果たしているっつうのはホメすぎだと思うぞ。
踊る大捜査線 THE MOVIE 2
「現場に正義を。」
空き地ばかりだったお台場もあれから5年、様々なビルが立ち並び、観光名所となったお台場は観光客であふれていた。そんな時、湾岸署管内に殺人事件が発生。青島らの必死の捜査をあざ笑うが如く、立て続けに第2の殺人事件が…。交錯する様々な現象、動機の見えない殺人事件、そして日々"増殖"するお台場は、地図上にない道が存在し、新たなトンネルが建設され、大都会の中の迷宮と化している。この街で青島らは絶体絶命の危機に追い詰められていく!
前作の大ヒットを受けてから5年、映画ならではのスケール感はあるものの、基本的には前作同様テレビの"まんま"の構成が功を奏して、過去のエピソードも散りばめながら、ひたすら安心して観ていられる肩の凝らない娯楽作に仕上がっている。テレビドラマを映画化することに対する是非、賛否はあろうが、映画化するならキャストも含めて余計な色気を出さずにこのように"まんま"で行くことが成功の鍵であることは間違いないであろう。観客側もそれを期待しているのだから。
今回も警察機構という"組織"の硬直化を揶揄するような表現を所々に散りばめ(レインボー・ブリッジを封鎖するために、あんなにメンドーな手続きが必要だなんて知らんぞ(笑))、それと対比するがごとく"組織"の中における"個人"のあり方、ジレンマというものを描き出す(殺人事件の犯人側の動機もこの辺にあるってこと)。青島が最後に言う「リーダーが優秀なら組織も悪くない。」というのが彼の心境の変化なのかどうなのか分からないけど、リーダーだけではなく、組織に属する末端の人間まで変わらないと、組織は円滑に機能しないよね〜と、今年うちの会社の社長が変わって色々と改革しようとしているみたいだけど、相変わらず旧態依然としている一部の社員を見るにつけ思ったりして(笑)。また、このように"組織"を揶揄して描いているこの作品が、"便器"、"粉ミルク"などの"シャレ"と"悪ふざけ"の区別もつかないバラエティー番組を垂れ流している、この件に対してひとりくらい苦言を呈する人間がいなかったのかとその見識を疑ってしまうような硬直した"組織"と思われても仕方のない某フジテレビ(仮名)の制作だというのもなんだか皮肉だな(爆)。
また、前作では副総監誘拐事件というのが作品中の事件の骨子を成していたのだけど、今作では殺人事件も含めて作品中で起こる事件がどうも薄味でチグハグ。メインで描きたいのは事件じゃないとはいえ、やっぱり警察モノですから、この辺も手抜きなくしっかりと描いてもらいたいものだわ。事件をしっかりと描くことで、"組織"と"個人"の対比が際立ってくると思うから。
そういう理屈は置いといて、今回登場人物の中でそのカッコよさが際立っていたのが室井さん(笑)。いかにもタカラジェンヌな真矢みき演じる沖田管理官のヤな女ぶり(それにしてもまあ、よくもあそこまで徹底的にヤな女を演じられるよな〜。だって、新城さんがいい人に見えたもん(笑)。それはそれでお見事)に耐えがたきを耐え、忍びがたきを忍ぶというスタンスから、結局彼女が自滅した後(でも、あれじゃあ、「だから女はダメなんだ。」って言われかねないんでないかい?)の捜査を見事に立て直すその手腕。沖田さんが当て馬に使われて気の毒な気がしないでもないけど(笑)、彼女と対照的な姿にリーダーの"あるべき姿"を浮き彫りにしているかなと。
ところで、今回劇場で鑑賞したお客さんのどれくらいの人が、あそこですみれさんの言う「砂の器」 を理解していたのかな?(前作は「天国と地獄」 だっけ?)それも気になる(笑)。