おいしい生活
「しあわせは、ひとり3ヶまで」
本人は天才だと思っているダメ泥棒のレイと、天才的に口が悪い上流志向妻フレンチー。ふたりは人生最後の賭けに銀行強盗を企て、銀行の2件隣にある空家を買取り、仲間たちと金庫へ通じる地下道を掘り始める。しかし、カムフラージュにと始めたクッキー屋が大繁盛。彼らはあっという間に大金持ちに。ふたりにとって夢だった、リッチでハイソな"おいしい生活"が始まるのだが・・・。
滑り出しはなかなか好調。レイとフレンチーの掛け合い、強盗仲間を巻き込んでのドタバタ(地下室完全水浸しの図が何とも可笑しい)など、爆笑というのではないけれど、何度もニヤリとさせられる。特にフレンチーを演じるトレイシー・ウルマンの毒舌ぶり、これがいい。しかも、毒舌を振りまきながらも、レイに対する愛情がしっかりと感じられるし。ウディ・アレン演じるレイも、貧相なんだけどなんとなく可愛げがあって好印象。
しかし、夫婦がリッチになった後がちょっとキツイ。リッチな生活を謳歌しながらも物足りなさを感じ、最後は"ホントに大事なもの"に気付く、というラストには微笑ましさを覚えるものの、そこに至るまでのネタが空回りしてるというか何というか。モチロン、そんじょそこらの"並み"の作品に比べると十分面白いんだけど、ウディ・アレン流のもう一ひねりを期待していただけに、チョイト肩透かしを喰らった感じだ。
今年のGWに観た「ギター弾きの恋」 が、ほぼ完璧に近い完成度だっただけに、期待し過ぎたんだろうか。ファンに刺されるの承知で暴言吐かせてもらうと、ウディ・アレンは監督として作品撮るのに専念して、自分で出演するのはもうお止めになったほうがよろしんじゃないかと。