バトル・ロワイアル
新世紀の始め、アジアのある一つの国が壊れた(どうみても日本だっちゅうの!)。自信をなくした大人は子供を恐れ、「新世紀教育改革法」(通称「BR法」)を可決する。それは、全国の中学3年生のクラスの中から無作為に1クラスを選び、最後の1人になるまでお互いに殺し合わせるというもの。今年は七原秋也らが在籍する城岩中学3年B組が選ばれた。修学旅行の途中で拉致され無人島に連れて来られた彼らの、3日間という限られた時間の中での理不尽な殺し合いの幕が切って落とされる・・・。
映画化の話の前にすでに原作本を読んでいたので、その圧倒的な面白さがどのように映像化されるのか注目していた。オマケに、公開前に全然関係ない方面から訳わかんないクレームが付けられていたので、そんなにエグイんか?と思っていたのだけど、ナゼこの程度の内容で上映取りやめろとかいう言われ方をしなければならないのか理解に苦しむ。これが上映禁止だったら原作本なんて絶対に出版禁止だよ。あっちの方が殺し合いとか死体の描写とかが凄いもん。中学生が殺し合うのがイカン!とゆうなら大丈夫。主役級の生徒役俳優陣はどう見ても中学生には見えないから(^^;)。前田亜季くらいかな〜、中学生っぽいの。
確かに映画としてはよくできていると思うし、面白いと思う。しかも、前田亜季の姉の前田愛を教師キタノの娘役で声だけで出演させているという細かい演出にはニヤリとさせられた。しかし、原作では42人の生徒1人1人がそれぞれ描き分けされていたのだが、映画となると時間的な制約があるからやむを得ないのだろうが、それぞれのキャクターの描き方があっさりし過ぎ。相馬光子とか桐山和雄とか、もう少し突っ込んで描いてもいいのに(安藤政信は全然喋らず不気味だったけど)。それから、残り3人になった後の川田章吾の行動もあれじゃ〜判りにくいよ。あそこって結構重要なシーンだと思うんだけどな。
などと、好き勝手描いてみたけど、教師キタノのキャクターは原作(原作では坂持金発という名前)以上。そこはビートたけしのなせる技でしょう。
バトル・ロワイアルU
「今日はみんなに、ちょっと戦争してもらいます」
あれから3年、テロによって首都が壊滅した近未来の日本。テロリスト集団"ワイルドセブン"のリーダーとなった七原秋也の抹殺を図るために、政府は新法「新世紀テロ対策特別法・通称BRU」を制定し、鹿之砦中学校3年の生徒42名を七原秋也を抹殺する"ゲーム"に送り込む・・・。
製作途上で深作欣二監督が亡くなり、いわばその遺作とも言うべきこの作品、前作同様、始まりは"子供vs子供"の図式での戦闘。また、この42名の中には前作に登場した教師キタノの娘シオリ(前作では声だけの登場)が含まれているというのもミソ。だけど、結局は途中で"子供vs大人"の図式にすり替わっちゃってるんだよね〜。ま、確かキャッチフレーズで"すべての大人に宣戦布告!"なんて言ってた気がするけど。
それはさておき、前作でも生徒ひとりひとりのキャラクターの書き分けがしっかりとなされていなかったように、今回もまた個々の生徒のキャラに魅力が感じられないというのが痛い。しかも演技も今イチで、ただ単に喚き散らしているだけ。これなら前作の方がまだいい。しかも演出もバイオレンスな戦闘シーンが延々と続くだけで、この作品を通じて何を言いたいのか、それがストレートには伝わってこないような気がする。演出としては成功しているとは言い難いのではなかろうか。
とはいえ、視点を変えれば、こういうシーンを延々と続けることで、戦争という名の下には結局のところ、大人も子供もただ単に"虫けら"のように死んでいくだけなんだということなのかな。また、演出的に成功しているとは言い難いとは言うものの、じゃあ退屈だったかといえば、決してそんなことはなく、最後まで観ることが出来たというのもまた事実で、理屈、言葉では上手く説明できないような、引き込まれる不思議な力強さを感じたというのも正直な感想だ。
また、生徒を演じた俳優のキャラには魅力を感じられなかったけど、教師RIKIを演じた竹内力のキレ具合はサイコー!(笑)。そういや、シオリを演じた前田愛がお姉さんなのに、この作品では典子を演じる妹の前田亜季の方が年上って設定なんだよね、どうでもいいけど(笑)。そしてエンドクレジットの最後に映し出される、志半ばで逝ってしまった深作欣二監督の写真に合掌。