ハロー、アゲイン
「少女の信じた奇跡はおとな達の希望となった」
「フル・モンティ」の脚本家サイモン・ボーフォイの初監督作品。イギリスのヨークシャーが舞台。10才の少女キャサリンは、弟マシューの白血病が治ることを毎日願っている。そんなある日、彼女はインド系の転校生ウマと谷で不思議な"光"を見る。その"光"をマシューが回復する予言と信じるが、逆に牧場の家畜が口蹄病で次々と死ぬ災難に見舞われる。そんな状況でもキャサリンは奇跡を信じ続けるが・・・。
白血病の弟のためにひたすら奇跡を信じるキャサリンのひたむきさ・強さがなんともいじらしい。そして、彼女の思いと彼女の骨髄がマシューに適合するといった手紙をきっかけに大人の心にも希望の光がもたらされるという展開も"らしい"感じだ。でも、物語はそう簡単にハッピー・エンドを迎えるわけではなく、結局マシューは手術の甲斐もなく死んでしまう。これで終わってしまうとなんとも悲劇的で、"希望"を持つことの意味自体が問われかねないところだが、この作品では主演の少女達の爽やかな演技のおかげで、結果はどうあれ"希望"を持ち続けることの大切さが伝わってくる。そして、物語は悲劇的には終わらず、マシューの命と引き換え(というわけではないけれど)に新しい"生命"が誕生するというエンディングでまた優しい気持ちになることができた。原題と邦題のかなりの落差に?マークが付いていたんだけど、邦題はラストでキャサリンが言うセリフから取っているんだろうと思うと、邦題の方がハマっているんじゃないかな。
「フル・モンティ」にはかなりハマったので同じような感動を期待していたのだけど、あの作品とはまた一味違い、地味なんだけどなんだかホッとするような秀作、そんな作品だった。やっぱイギリス映画っていいよね。