パニック・ルーム

 「作られた目的はただひとつ。
        決して誰も侵入させないこと―。」

 ニューヨーク。夫と離婚したメグは、11歳の娘、サラを連れ、ある富豪が残した豪邸に引っ越してきた。その屋敷には、"パニック・ルーム"という、緊急避難用の鋼鉄製の密室が設置されていた。新たな生活が始まるはずだったその夜、事件は起こった。3人の正体不明の男たちが屋敷に侵入してきたのだ。メグとサラは、"パニック・ルーム"へ逃げ込むが、男たちは邸内を破壊し尽くすと、ふたりが身を潜める"パニック・ルーム"へと魔の手を伸ばしてきた。果たして、侵入者の目的は?そして"パニック・ルーム"に隠された秘密とは・・・?
 「セブン」「ゲーム」、そして「ファイト・クラブ」 と、独特の映像・世界観を持つデヴィッド・フィンチャー監督作品で、オマケに怪我で降板したニコール・キッドマンの代わりにジョディ・フォスターが主演するというだけに、並々ならぬ期待をして劇場に足を運んだ。オープニングのニューヨークの街並みとタイトルバックの組み合わせがなんともクールで「!」となったのだけど、観終わって最初に感じたのが、デビッド・フィンチャーってこんな"普通"の作品、そしてこんなにも分かりやすい作品を撮る人だったっけか!?という驚き。これがこの作品のすべてを表現しているような、そんな感じだ。ここには「セブン」「ファイト・クラブ」 に感じたのと"同じ"衝撃はない。確かに全体を通してのカメラワークはいいと思うし、話的にも面白いことは面白いし、約2時間飽きずに観ることはできたのだけど、いかんせん、もう一ひねりが足りない。なんというか、あまりにも王道的な作りすぎて、「え゛、ホントにこれで終わりなの!?」なんて思ったりして。やっぱデヴィッド・フィンチャー監督作品だからということで、彼の"色"を期待し過ぎてしまったんだろうな〜。もしかしたら彼の作品じゃなかったら、王道的だけどカメラワークとか凝っていて面白い作品という評価ができたかも。でも、彼の作品じゃなかったら、「またこの手の作品か〜。」と、観ないで終わってたりして(爆)。
 それはさておき、大体にして、誰も侵入できないはずの"パニック・ルーム"に、後半なんて強盗入ってるぢゃんみたいな(笑)。というのも、あたしってば最後まで"パニック・ルーム"に閉じ込められるというか篭城したままのメグとサラの恐怖みたいなものが描かれると勝手に思い込んでいたものだから、まさか後半でメグがサラを残して"パニック・ルーム"を出て(モチロン、これは望んで出たわけじゃないけど)、逆に"パニック・ルーム"に入った侵入者と壁越しに対峙するとは思わなかったので、チョット肩透かし。"パニック"という言葉の意味だけを捉えた場合、この屋敷自体が"パニック・ハウス"だよ(謎)。
 あと、なんか侵入者のキャラも、それぞれが抱えているこの計画に参加する理由に深みがなく「?」だったり、計画性もなく行き当たりばったりだし、ラストの侵入者のひとりバーナムの行動も何となく読めてたし。そういやメグの別れたダンナもなんか超カッコ悪ぅ〜って感じだったな(爆)。
 そんな中、メグを演じるジョディ・フォスターの"体当たり"の演技は流石だ。撮影当時妊娠中だったというのが信じられないくらいのアクションも決めて娘を守ろうとする強い母親を演じている。このキャラだったら、当初主演に予定されていたニコール・キッドマンよりも間違いなくハマリ役だと思ったら、聞くところによると、ニコールに用意されていた役どころはもっとか弱い母親像だったとか。ところが、急遽彼女が降板してジョディが主演になったことから、彼女にか弱い役は似合わんでしょ、ということでこのような強い母親像になったそうだ。ナルホド、その辺はデヴィッド・フィンチャー監督、よく分かってらっしゃる(笑)。

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