バニラ・スカイ
出版界の若き実力者、デヴィッド・エイムス。そんな彼を翻弄するふたりの女性に出逢ったことで、彼の運命はやがて、思わぬ方向へと転がり始める。予期せぬ人生のジェットコースターに突然投げ込まれたデヴィッドが、その旅の終わりに見たものは・・・。
スペイン映画「オープン・ユア・アイズ」 のリメイクであるこの作品、「オープン〜」 が2年前に日本で公開されたときには、すでにトム・クルーズがリメイク権を獲得したということが大々的に報じられ、そのときには正直「ケッ!」って思った。あたしは大体にして"ハリウッド・リメイク"に否定的な人間だから。
しかし、本作品が撮影に入り、監督がキャメロン・クロウだと知ったとき、「あの頃ペニーレインと」 がお気に入りだったし、しかも今年の東京国際映画祭で上映された「オープン〜」 のアレハンドロ・アメナバール監督の「アザーズ」 に打ちのめされ、トム・クルーズのプロデューサーとしての資質にも感心していたものだから、「もしかしたら・・・。」という期待が結構大きくなってきたというのも正直なところ。そして、その期待に応えるだけの好作品に仕上がっていると言っていいだろう。
基本的にオリジナルに忠実な構成、ストーリー展開ながら、オリジナルにあった幻想的で、現実と夢との区別が付かなくなり、頭の中が次第に混乱してくる、ある種の"訳分かんない状態"(あれはあれで好きなんだけど)が解消されて、かなり分かりやすくなっている。モチロン、分かりやすいといっても途中でネタ割れするということではなく、ラストで明かされる"真実"にもスッキリ納得できるということ。これはサスペンス・タッチのオリジナルと違い、サスペンス色は残しながらもデヴィッドとソフィアのラヴ・ストーリーを前面に押し出した描き方をしたからに他ならない。この辺が"ハリウッド"らしいといえばらしいんだけど、やっぱりオリジナルの良さを失うことなく新しい描き方をした、キャメロン・クロウ監督の手腕によるところが大きいのではなかろうか。映像やサントラなんかもクールだし、この監督はやっぱり上手いよ。
また、ペネロペ・クルスは「オープン〜」 と同じくソフィア役で出演していて、やっぱり"スター"になった後だけに、あのときとは"輝き方"が違うような、そんな感じだ。この作品から漂ってくるデヴィッドとソフィアの"アツアツぶり"(死語)、もしかしたら、私生活でもこのふたり、こんな感じでラブラブなのかな〜なんて、ツマランことを考えたりして(爆)。それと、キャメロン・ディアス、彼女のチョット怖い女(でも純粋さの裏返しなのかな?)も、「マルコヴィッチの穴」 同様、かなりのインパクトがあったのは間違いない。
間違いなく誰にでも楽しめる作品になっているわけだけど、事前にオリジナルを観てから観ると、その違いが分かってより一層楽しめるんじゃないかと思うので、未見の方は是非最初に「オープン・ユア・アイズ」 をご覧になることをオススメします。頭が訳分かんなくなっても知らないけど(爆)。あたしも久しぶりに観たくなってきたな〜。