クライム&ダイヤモンド
「ダイヤ、監獄、そして女・・・。俺の話を聞いてくれ。」
場末のホテルの一室、銃を突きつけられた男、偽造詐欺師フィンチは語り始める。彼を捕らえた殺し屋毒舌ジムは筋金入りの映画フリーク。椅子に縛られ、頭には銃。絶体絶命の危機の中、フィンチは窮地を脱するために、彼自身の物語を話すしかなかった。それは彼とダイヤをめぐる物語。はたしてフィンチの語るこの物語は、彼自身を窮地から救うことができるのか・・・?
この夏ひっそりと公開されたこの作品、とにかく観た人の評判がすこぶるよろしく、運良く近所の2番館で上映されたものだから足を運んだら、これがまさに大当たり!のスカッとする爽快な一本だった。まったく、何で「○×」や「△□」(自主規制。怖くて具体的な作品名は書けません・爆)みたいなツマラン作品がロード・ショー公開で、こういう面白い作品がこんなにひっそりと公開されなきゃならんのぢゃ!?ってマジで思ったもんね。
始まりはホテルの一室。殺し屋ジムに捕らえられたフィンチが、映画のように面白い話を聞かせてくれたら命は助けてやるというジムの約束につられて語り始めるのだけど、そのストーリーがダイヤ強奪、脱獄、ロマンス、友情とさまざまな要素がテンコ盛りで、はたしてこのストーリーは事実なのか単なる創作なのかという興味と共に、あたしたち観客もフィンチの語るストーリーの中にドップリと漬かってしまう。そして、ラストにはそのストーリーと現実世界が交錯し、見事に着地を決めてくれる。確かに手法としては大傑作「ユージュアル・サスペクツ」 を思い起こさせるものだけど、あの作品よりもサスペンス色は弱く、ライト感覚で楽しめる作品に仕上がっている。オマケに明らかに確信犯的なB級臭さ。これがまたあたしのツボなのよ(笑)。しかも、ここには数々の名作映画のタイトルやセリフなどが散りばめられ、映画に対する愛情がプンプンと感じられるので、映画ファンにはたまらない作品だ。
それから、フィンチを演じるクリスチャン・スレイターのキャラも魅力的だし、それ以上に殺し屋ジムを演じるティム・アレンが最高。映画好きの殺し屋(ってゆうか、全然殺し屋っぽくないんだよね)という設定が秀逸だし、フィンチの語りに「物語の出だしは、回想シーン?いいね、回想シーンは大好きだ。」とか「いよいよ来たぞ、これぞ意外な展開。」とかいちいち合いの手を入れたりするのが、コイツ、ホントに映画が好きなんだな〜と微笑ましくなってしまう(笑)。そして、物語が大団円を迎えた後に彼がある有名な映画の名シーンを再現するんだけど、これには思わず膝を叩いて喝采を送りたくなった。観てるあたしもつられて踊り出したくなったもんな〜♪