害虫
「人生は戦場。そんなこと、とっくに知ってるよ。」
サチ子は中学1年生、13才。しかし、母親の自殺未遂や、小6のときの担任教師・緒方との淡い恋などが様々な噂話となって、クラスメートとなじめない。学校をドロップアウトした彼女が唯一心を許せるのが、町で気ままに暮らす若者たちとささいな悪事をして過ごすとき。クラスメートの夏子の努力の甲斐あって、再び学校に通うようになるサチ子だったが、やはり学校には自分の居場所はどこにもなかった。そんなサチ子が選んだ道は、かつての恋の相手、緒方に会いに行くことだった・・・。
いや〜、なんていうんだろう、13才の大人と子供の狭間に立つ不安定な少女の姿が、ある意味リアリティを持って迫ってくるとでも言えばいいんだろうか。普通の13才だったらここまでいろいろな厳しい現実を突きつけられたら、間違いなく潰れてしまうだろうに、その現実をしっかり見据え、しっかり生きていこうとするクールな姿に共感する部分もあり、一方で燃えさかる家を目の当たりにするシーンでは、自分がしでかしたことに対する恐怖の感情に囚われたりして。この辺の揺れ動く感情のコントラストが良く描かれている。そうなんだよ、人生って決して綺麗ごとだけではすまないんだよな〜。何とも痛いんだけど等身大の10代を描いた秀作。それと、ラストで緒方に会いに行って、結局彼とはすれ違って迎えるラストシーンが我々観客を突き放したような終わり方で、この後サチ子はどうなるんだろうか?といった不思議な余韻を残している。もっとも、映画に明確な結末を求める人には「なんじゃこりゃ?」なエンディングだろうけど。
また、サチ子を演じる宮崎あおいがその不安定な少女の姿を上手く演じている。決してセリフは多くないんだけど、セリフではなく、表情やその仕草で感情を表現しているのが見事だ。まだまだ線は細いけど、いはゆる"ジャリタレ"とは一線を画した彼女が、今後どのように成長していくのか、要注目の女優であることに間違いない。
ところで、エンド・クレジットに寺島進&喜国雅彦&国樹由香の名前があったんだけど、一体何処に出てたのか全然分かりませんでした。誰か分かった人がいたら教えて〜!