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KILL BILL Vol.1

 「許せない。許さない。」
 4年間の昏睡状態から目覚めたとき、孤独な花嫁("ザ・ブライド")はすべてを悟った。そして心に決めた。私を裏切り、私のお腹の中に宿っていた子供までも殺した奴らをひとり残らず抹殺すると。復讐は、神が彼女に与えた運命なのだ。"ザ・ブライド"はたったひとりで闘いの旅に出る。世界を股にかけた、長く、そして壮絶なる復讐の旅に・・・。
 あたしがどれだけクエンティン・タランティーノ監督に思い入れがあるのか、改めてここで言ったり書いたりしても恐らくその真意の半分も伝わらないとは思うけど、とりあへず考えを整理する意味で書かせてもらう。
 あたしが映画にハマるそもそものきっかけは、ロバート・ロドリゲス監督の「エル・マリアッチ」 なんだけど、そこから派生する形で「こういうテイストの作品を気に入ったのならこっちもきっと気に入ると思うよ。」という悪友のなおちゃんに薦められた「レザボア・ドッグス」 をビデオで観て、そしてちょうどいいタイミングで公開された「パルプ・フィクション」 を観たことによって「エル・マリアッチ」 以上の衝撃を味わい、「あたしが求めていたのはこういう奴なんだ!」と一気に開眼、完全にインディペンド系の作品にハマり、その後はメジャー作品ではなく、インディペンド系、単館系の作品を貪るように観ることになる。
 つまり、ロドリゲスを介在しはしたけど(後から彼もタランティーノの大のお気に入りだということを知ることになる)、タランティーノと出会っていなかったらここまで映画にのめり込むことはなかったし、自分のサイトを開設して今こうやってタラタラと駄文を書くこともなかっただろう。間違いなく今とは違った人生を歩むことになっていたと思う。そういう意味でも彼はあたしの人生に多大なる影響を与えた男、いや、あたしの人生を360度、もとい180度変えた罪作りな(笑)男と言っても過言ではない。どうせならこんな"しゃくれアゴの映画オタク男"(爆)じゃなくて、カワイイ女の子に人生変えてもらいたかったけど(爆)。
 そんな彼の「ジャッキー・ブラウン」 以来6年ぶりとなる新作は、一言で言うと完全な彼自身の趣味丸出しの下品で(「パルプ・フィクション」 の"fuck"の連発に続いて、今度は"bitch"の連発かよ!(爆))超B級おバカテイスト満載の"バイオレンス・チャンバラアクション・オタク映画"だということ尽きる。そしてそのバイオレンス描写(飛び散る血飛沫、もげる首、手足、特にあの青葉屋での日本刀バトル、ワクワクするね。HR/HM を聴いて感じるカタルシスと同等のものを感じる。そしてGOGO夕張との決闘シーンなんてもうサイコー!栗山千明の、あの目の据わり具合、マジでスゲェぜ。そういや、あの青葉屋にのた打ち回る死体の山の中にタランティーノ自身もいるらしいんだけど、一体どこに?)に血沸き肉躍る体内アドレナリン噴出度1,000%の、ツマラン理屈は力技でねじ伏せる、サイコーにクールでサイコーにサイテーな(笑)、彼自身が影響を受けた映画に対する愛情に満ち溢れた、どうしようもなく愛しい作品だ。この作品を捧げられた故深作欣二監督もいい迷惑、ではなく、きっと喜んでおられることでしょう(笑)。でもさ〜、エンドクレジットのThanks Listの中で、監督の息子の健太氏のクレジットが"BENTA FUKASAKU"ってなってるのは流石にマズイんでないかい?(苦笑)
 また、6年ぶりの新作ということで、もしかしたらタランティーノの感性も鈍っているかも、な〜んていう心配は杞憂に過ぎず、震えるくらい興奮し、タランティーノは何にも変わっていないという事実に狂喜乱舞し(やっぱ彼はサイコーの映画オタクだよ)、その喜びと興奮のあまり、最後は胸に熱くこみ上げるものが。まさかタランティーノの作品を観て泣きそうになるとは思わなかった(大バカ)。そんな自分のおバカ加減に気付いてまた泣きたくなってるし(爆)。で、結局朝から映画館に篭って気が付いたら3回続けて観てしまったのだけど、時間が許せば最終回まで観ていたかったな〜。これほどまでに映画館を後にするのが名残惜しいと思った映画は初めてかも。ということで、本上映中に間違いなく最低でももう一度行きますよあたしは。今度は朝から晩まで"「KILL BILL」 マラソン"を敢行したい(笑)。(註:結局、現時点で10回スクリーンで観たことになる)
 と、長い長い前置きはさておき(笑)、肝腎の内容はというと、単なる"おバカ&オタク&バイオレンス・チャンバラアクション映画"なので、中身なんてな〜んにもありません(爆)。ってゆうか、この作品について四の五の小難しい理屈をこねて語るのなんてまったくもってナンセンス!本能で感じて楽しめるかどうか、好きか嫌いか、この一言に尽きる。楽しめなかったという人はまったくもって正常な感性の持ち主で、"ザ・ブライド"と同じでまだまだ理性が残ってます(笑)。そしてあたしのように、こんなにもバイオレンスなオタク映画を十分楽しんだという人は、かなり人間壊れかけてます。マジでサイテーな人間です(爆)。
 まあ、バイオレンス描写については個々の感性、生理的に受け入れられるかどうかというのがあるというのは十分理解してるつもりだし、この作品はそれ"だけ"の映画でもないのは周知の事実(だから、あんまりこういうことだけを取り上げて御託を並べたくはないんだけどね)。だけど、バイオレンス描写というのはタランティーノの作品を構成する重要な要素のひとつであり、そういったものものもすべて含めて飲み込まないと、タランティーノ作品の本質には迫れないと思うんだ。こんな寝言をあたしが言ってると、暴力礼賛の単なるアブナイ奴だと思われかねないけど(苦笑)。それに、今回は事前情報が嫌でも耳に入ってきたはずだから、それを承知の上で映画館へ足を運んだはずなのに、この期に及んで血飛沫が多すぎだとか、バイオレンス過ぎるなんて言う人は、やっぱりタランティーノのことを正しく理解しているとは思えないし(そういう人は過去のタランティーノ関連作品をちゃんと観て、「KILL BILL」 関連本&関連サイトをしっかりチェックしてから出直すか、縁がなかったということで今後は一切タランティーノ作品とは関わり合いにならない方が精神衛生上よろしいかと(爆))、また、過去の3作品と比較してどうとか言うのもナンセンス。この作品はただ単に彼の頭の中にあるイメージのおもちゃ箱をひっくり返したものを具現化したものであり、後はそれに同調できるかどうか、同化できるかどうか、ただそれだけ。
 だから、ここでは"通"ぶってこの作品の元ネタがどうとか、各所に散りばめられた小ネタがどうとかということには一切触れるつもりはございませんことよ(でも、やっぱり"レッド・アップル・シガレット"には思わずニヤリ)。そんなもんは、ネットを駆使するなり、関連本が掃いて捨てるほど出版されているのでそちらを参照するのがよろしいかと。
 だけど、ひとつだけ言えることは、例えばかなりスベリ気味の寿司屋での会話(あそこにソニー千葉ちゃんと一緒に出てくるハゲって"宇宙刑事ギャバン"&"バトル・ケニア"の大葉健二ぢゃん!うう〜、懐かしい)や、おバカ日本語&英語がごちゃ混ぜになっているセリフ回し、勘違い日本描写などは、間違いなくすべて計算づくのものだということ。そして時間軸を巧みにずらして交錯させるという構成の上手さは相変わらず。そういやアニメのオーレン・イシイの少女時代の声優にクレジットされていた"Ai Maeda"って、あの前田愛のこと?声だけの出演ってことはもしや・・・?と思ったら、彼女と同姓同名の声優さんでした(笑)。
 また、作品自体のテンポも非常によく、ウマ・サーマン(あのピー音で消される"ザ・ブライド"の本名は何なんだよ?放送禁止用語か?(爆))をはじめとする出演者が皆生き生きとそれぞれのキャラクターを演じているので(ルーシー・リュー演じるオーレン・イシイの白い着物姿がなんともハマってるし、今回は出番は少ないものの、ダリル・ハンナ演じるエル・ドライバーの病院での赤い傘と白いスーツのコントラスト、そして服装に合わせて変わるアイパッチも絶品)、2時間を全然長いと思わずにあっという間にクライマックスへ。これじゃあ続けて何度も観たいと思う筈だわ。そして、「Vol.2」 への期待を繋ぐに十分なあのエンディング。ああ〜、来年のGWといわずに、今すぐにでも「Vol.2」 を観たい!ちなみに、サントラもそれぞれの局面に非常にマッチするクールなもので(青葉屋のオープニングでの布袋アニキの"Battle Without Honor or Humanity"なんて、ゾクゾクくるくらいサイコー!だし、"ザ・ブライド"とオーレン・イシイの対決シーンでの"Don't Let Me Be Misunderstood"のイントロ(どうせなら、尾藤イサオ兄貴のバージョンを使ってくれ!(笑))や"修羅の花"なんかも妙にマッチしてるし)、頭の中では"恨み節"(これもアルバムに収録してくれたら文句なしだったんだけどな〜)がグルグル回りっぱなし(爆)。しかし、いいのか、こんなクダラナイ、中身も何にもないサイテーな作品のレビューにこんなに字数を使って?ま、いいか。どうせ、映画と同じで中身も何にもないレビューなんだから(汗爆)。もっとも、これでもかなり抑えたつもりなんだけどね(汗)。

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