ミニミニ大作戦

 「小さなヤツほど、華麗に決める。」
 難攻不落の最新金庫に守られた伝説の金塊を丸ごと盗み出す、まさに大胆不敵な計画。天才的な知性を持つ窃盗のカリスマ、チャーリーの下に6人のプロフェッショナルが集結した。綿密な計画と究極のテクニック、そして最高のチームワークを武器に金塊に挑むチャーリーたち。しかし、そこには想像を絶するアクシデントが・・・。この状況を打破するために彼らが考えた起死回生の作戦とは?
 こういうノリとテンポのいい、最後まで飽きずに楽しめる作品っていいよね〜。仲間の裏切りにあって、金塊を丸ごと奪われた上にひとりが命を落としたプロの泥棒グループが、今度はその仲間の娘と一緒に金塊を奪い返して仲間の弔い合戦をするという展開と、それぞれのメンバーが運転のプロ、コンピューターのプロ、爆破物のプロ、金庫破りのプロといった特技を生かして活躍するというところはいわば王道的なもの。それを途中でダレることなく小気味良く決めてくれるっていうんだから。しかも、犯罪を扱った作品であっても決して血生臭くなく、カーチェイスなどのアクションもCGなどに頼らずに"生"。この作品のオリジナルがそうだったからなのか知らないけれど、古きよき時代の犯罪映画という雰囲気がこれまた好感触。また、HR/HM ファンにとっては、元GN'R のスラッシュ、ダフ、マットが結成したVELVET REVOLVER (作品完成当時はバンド名が未定だったためか、エンド・クレジットではメンバー個々の名前がクレジットされていた)による"Money"(PINK FLOYD のカヴァー曲)がエンディング・テーマ曲に使われているというのも見所(聴き所)のひとつだろう。
 それと、決して誰かひとりがでしゃばることなく、だけど、それぞれのキャラクターが個性的な犯罪グループの面々が魅力的。セス・グリーン演じる"ナップスター"ライルもお茶目でカワイイし、シャリーズ・セロン演じるステラも、今まで観た彼女が演じてきたどのキャラクターとも異なる魅力が感じられる。でも、あたし的にはハンサム・ロブを演じたジェイソン・ステイサムが一番。「トランスポーター」 でそのカッコよさを決定付けた彼、今回もタフでクールでやっぱりカッコいい(笑)。一方、スティーブを演じるエドワード・ノートンは、今回はどうしちゃったの?って感じ。一説によるとこの作品には元々出るつもりはなかったのに、契約の関係で出演せざるを得なかったとか。それが影響しているのか演出家に彼を生かす才能がなかったからなのか知らないけれど、"最も敵にしたくない男"のイメージとはまったく程遠い、なんとも中途半端な印象。この程度の役だったら、別にノートンじゃなくても誰でも出来るじゃん。モチロン、並の役者と比べれば文句なく上手いけど、ノートン"ならでは"の個性がほとんど感じられなかったのが非常に勿体ない。ノートンの実力はこんなものではないということは、彼のファンなら誰でも分かるはず。もっとも、今回は誰かひとりが突出した存在感を出すものではないという作品の性質上、あえてその存在感を隠したという好意的な解釈も出来るけど(だとしたら、それはそれで恐ろしい。って、「スコア」 のときも書いた気がする(笑))、それでもね〜、あたしがノートンに求めているのはこういうのじゃないんだよ。もしあたしが彼が演じる役柄であればなんでもいいという盲目的なファンであれば、きっと今回も絶賛していただろうけど、生憎そうじゃないんで、今イチだと思ったらハッキリそう言います(笑)。彼を愛するが故の苦言、やっぱりファンってそういうものでしょ。な〜んてことを書いてると、「お前はノートンのことが大嫌いなんだな!?でも、いくら嫌いだからってそこまで言うか!?」などという、日本語の読めないお利口さんからお門違いの文句が出るかもしれないけれど、そういう人種は端から相手にしないのでご愁傷さま(笑)。ま、作品としては文句なしに面白い作品だから、"ノートン出演作に駄作なし"の法則は今回も守られたし、例えば「タイムマシーン」 におけるガイ・ピアースだったり、「ヤング・ブラッド」 におけるティム・ロスやスティーヴン・レイのように、その作品自体を記憶から抹消したい、彼らのキャリアの中で汚点となるようなことにはならないけどね(苦笑)。
 あと、撮影の余りの凄さにロケ地ベニスでは今後一切の映画撮影が禁止になったということを自慢気に宣伝文句に謳ってるけど、本来これは恥ずべきこと。こういうことをカッコいいと思っているとしたら、大間違いですよ、映画会社さん。くれぐれも勘違いなさいませんように(キッパリ)。

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