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耳に残るは君の歌声

 「私の旅は終わらない」
 ロシアの深く美しい森とやさしい父の子守歌につつまれて育った少女は、ユダヤ人迫害を受けて父と引き離される。この生き別れた父を探し、歌声を自分の声として、海を越え、大地を渡る少女。旅の途中での出会いと別れ、果たして彼女の旅はどのような終幕を迎えるのか・・・。
 サリー・ポッター監督による"一大ロマン"ということと、クリスティーナ・リッチ、ジョニー・デップ、ジョン・タトゥーロ、そしてケイト・ブランシェットという"豪華キャスト"だということで、一体どんな感動ドラマが繰り広げられるのか、実はかなり期待していた。しか〜し、なんなの、この中途半端な気持ちは?
 思うに、戦乱に揺れるヨーロッパの激動の時代、そしてその時代の波に弄ばれながらも健気に父親のことを想う少女の気持ちを、100分足らずという短時間のうちに描ききろうというのが無理があるんじゃなかろうか。
 すなわち、なんとも人物や個々のエピソードの描き方が淡白で、なんだかス〜っと流れていってしまうというような、そんな感じ。だから感情移入をしている暇もなく、あっという間に終幕を迎えてしまっていたもんね。どうせなら、もっともっと時間をかけて、丁寧に登場人物のより深い内面にまで踏み込んだ描き方をしてくれればよかったのに。本来だったら、ラストシーンなんて、もっと泣けるエンディングになってもおかしくないのに、あたしは泣けませんでした。でも、ハンカチで顔を拭っているお客さんもいらっしゃったから、もしかしたらあたしの感性が鈍いだけなのかもしれないけど(爆)。
 ただ、ジプシーを演じるジョニー・デップは相変わらずカッコいい。さほどセリフが多いわけでもないけれど、あの全身から醸し出される雰囲気、いや〜、男の目から見ても十分セクシーだよ。しかも、今回は彼の涙まで観られちゃうし。それから、オペラ歌手のジョン・タトゥーロ、彼も相変わらずの芸達者ぶり。一方、主演のクリスティーナ・リッチは、あんま印象に残ってないんだわ。どっちかというと、彼女の子供時代を演じた子役の女の子の健気で可愛らしい演技の方がより印象に残ったな〜。

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