ショコラ
「おいしい幸せ、召し上がれ」
「サイダーハウス・ルール」、「ギルバート・グレイプ」 のラッセ・ハルストレム監督の新作。今回も清々しい物語を届けてくれた。
北風の吹く冬のある日、古い因習が深く根づく村に謎めいた女性ヴィアンヌが娘を連れて越してきた。彼女は村の住人が今まで見たこともない美味しそうなチョコレートであふれた店を開き、それらは人々を虜にしていく。カトリックの断食期間にまでチョコレートを口にする人々を見て、厳格な村の指導者レノ伯爵は愕然とし、なんとか彼女を村から追放しようと画策するが・・・。
相変わらずラッセ・ハルストレムは話の作り方・描き方が上手い。最後まで飽きさせずに持っていく展開の仕方もそうだし、観ていて安心するというか、ホッとできる。今まで村の人に幸せを与えてきたヴィアンヌ母娘が、レノ伯爵との争い(といっていいのかな?)に疲れ果て、村を去ろうとしたときに今度は逆に村の人々から元気や勇気を与えられるシーンなどは、思わずホロリとしてしまったりして。それと、エンディング近くで若い神父(彼がプレスリーの"Hound
Dog"でリズムをとる仕草、なんだか可愛らしかった)が言う、「人間性というのは、なにを否定するのかというので決まるのではない。その人がなにを受け入れるのか、というので決まるのです。」というくだり、なんだかジーンとしてしまった。
もっとも、レノ伯爵がチョコレートを食べて気持ちを変えてしまう、それによって村が古い因習から解放されるといったラストには、ほんの少しだけ詰めの甘さ、ご都合主義のようなものも感じたが、この物語を"寓話"・"お伽噺"と捉えれば、さほど気になるほどのことでもないだろう。
ヴィアンヌ役のジュリエット・ビノシュをはじめとする俳優陣の演技もみなそれぞれ様になっているし、ジプシーの青年ルー役のジョニー・デップ、男の目から見てもやっぱカッコいい。あらためて惚れなおした。
ただ、美味しいものを食べて幸せな気持ちになるというのは、美味しいもの大好きなあたしにはよ〜く分かるのだけど、あたしって基本的に甘いものをまったく食べないんで、いくつも出てくるチョコレート、観てるだけでお腹一杯って感じ(^^;)。