シャドウ・オブ・ヴァンパイア
「吸うか、吸われるか。」
映画「吸血鬼ノスフェラトゥ」の撮影が準備される1922年のドイツ。傑作を完成させるために監督のムルナウは、必死で主演のノスフェラトゥ役の俳優を探し、見つけてきたのがマックス・シュレック。なんとも奇怪な容姿の彼、実は本物のヴァンパイア。そしてギャラはクランクアップ後に主演女優グレダの血。それまで我慢して決してスタッフには手を出さないように言っていたにもかかわらず、撮影開始後にカメラマンや撮影助手が犠牲になってしまう。果たしてこの映画、無事に完成することができるのだろうか・・・。
「吸血鬼ノスフェラトゥ」でオルロック伯爵を演じたマックス・シュレック(実在の人物)が本物のヴァンパイアだった、という発想が秀逸なこの作品は、ウィレム・デフォーのヴァンパイアの演技がすべてといってもいいいくらいの作品だ。それほど彼の演技はキてる。なんとも品がなくてワガママで(言うこときかないと血をもらえないからって、そんな拗ねるなよ〜)、ときにはコミカルで、そしてその中にヴァンパイアの悲哀を滲ませたりして。彼の"ヴァンパイア"メイクも「PLANET OF THE APES/猿の惑星」 の"猿"メイクよりインパクト強いし。やっぱりデフォーは怪優だ。オカゲでマルコヴィッチが霞んで見える。モチロン、彼の演じる、作品の完成のためにはなりふり構わない(ラストは完全に壊れてるっぽい)ムルナウ監督のキレ具合というのも、シュレックがいなければそれなりのインパクトがあっただろうけどね。ラストを観ると、ヴァンパイアよりも人間の方が怖いのかも、と思ってしまうし(グレダがやられてんのにカメラ回し続けるなよな〜)。さてさて、こうして撮影された「吸血鬼ノスフェラトゥ」の出来映えはいかに。