DRIVE

 「名前も知らないカノジョ、飛ばせないサラリーマン、
                まとまりのない銀行強盗、成仏できないご先祖様・・・・・止まらない妄想。

 薬品会社の営業マン、朝倉はいつものように外回りのライトバンの中で赤信号を待っていた。そして午後1時の時報きっかりにこの交差点に現れる名前も知らないOLのことも待っていた。午後1時。。彼女に見惚れて思わず微笑む朝倉。彼女と目が合ったその瞬間、黒塗りの乗用車が脇を走り抜けたかと思うと、朝倉の車に黒マスクをした3人の男が乗り込んできた。「おい!あの車を追え!」彼らのとんでもない一日が始まった・・・。
 タイトルが「DRIVE」 だけに、どんな疾走ムービーになるのかと思ったらさにあらず。やっぱSABU監督は一筋縄ではいかない人だ。だいたい朝倉のキャラが神経質で生真面目で、交通法規をガチガチに遵守して。そこに銀行強盗の一味が乗り込んできて金を独り占めした仲間を追え〜!って言われてもね。追えるわけがない(笑)。こういうタイトルの作品にこういうキャラの主人公を配するってところに監督のセンスを感じる。で、堤真一がまたハマってるんだよね。この人、TVでもいろんなキャラを演じているけど、実はああ見えて(って、どう見えるんぢゃ?)芸の幅が広い人だってことがよく分かった。
 で、この銀行強盗3人組を乗せての珍道中がまたある意味メチャクチャなんだけど、ひとりずつ脱落というか、下車していく過程にそれぞれの事情が明らかにされてホロリとさせられたりニヤリとさせられたり。特に寺島進のあのライヴハウスでの"説教ライヴ"、これがイカしてる。それと彼が言う"縁"という言葉、これがまたいいんだよな〜。もしかしたら、これもひとつのロード・ムービーなのかな?
 それと、仲間を裏切って金を独り占めにする筧利夫、あの彼があんな風に穴にハマってしまうっていうのもなんか悪いけど笑っちゃうし、大杉漣のキャラも彼"らしい"雰囲気をしっかり出していて好印象。ヒロイン(?)役の柴咲コウは、最初出てきて、このストーリーに絡むことないのかな?だとしたら勿体ない使い方だよな〜と思ったら、ナルホド、ああやって結びつけるわけですな。
 その他にもいろいろな俳優がそれぞれの個性を活かしてこのクセのある作品に上手く絡んでいくというところにこの作品の魅力があるわけだけど、展開には些か無理があるような気がしなくもないから、カッチリとした作りの作品を好む人には受け入れられないかも知れないね。ただ、「MONDAY」 でも思ったように、これがSABU監督の持ち味ということで、あたしは支持するけど。でも、あの松雪泰子は絶対に反則(爆)。

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