天国の口、終りの楽園。
「もう、会うこともない。」
ある秘密を持つスペイン生まれの人妻ルイサと、生のエネルギーを持て余す17歳の少年フリオとテノッチ。3人は伝説の海岸「天国の口」を目指し、優しさと残酷さが交錯する乾いたメキシコの大地を南下する。熱い太陽に照らされたひと夏の旅は、ルイサにとっての最期の旅、そして、少年ふたりにとっては、もっとも輝いていた甘美な少年時代との決別の旅だった・・・。
過ぎ去った"若さ"、"あの頃"に対するノスタルジックな気持ちと、チョッピリほろ苦さを覚えるひと夏のロードムービーだ。あたしは男だから、フリオとテノッサの視点から物語を観ていたわけだけど、そうなんだよね〜、10代の頃って実際に行動に起こすかどうかは別にして、こういうエネルギーに溢れて、なんだってやっちゃおうって気持ちになったりするもの。そして、つまらないことでお互い衝突したりするのも「そうそう!」って感じで共感して。なもんで、映画を観ながらいつしか彼らと一緒に旅している気分になったりして(所々で映し出されるメキシコの自然の風景がなんとも綺麗で、それがこの気分に一層拍車をかけているかもしれない)。一方、劇中に挿入されるナレーションは、ルイサでもフリオでもテノッサでもなく、まったくの第三者のもの。それが彼らに共感しながらも、ときには客観的な気持ちに引き戻してくれるという効果もあったのかも。
ひと夏の旅を終え、エンディングでルイサが抱えていた秘密というのが明らかにされるのだけど、正直なところこれってどうなのかな?っていう気持ちはある。そんな秘密を抱えていたが故に今までのすべてから解放されるために旅に出たという解釈も出来るけど・・・。でも、同じくラストでのフリオとテノッチのやり取りを観ていると、過ぎ去った"あの日"はもう戻らない、だけど大人になるっていうのはこういうことなんだよな〜なんて、祭りの後の寂しさみたいなものとほろ苦さを覚えると同時に胸キュン状態。こういうエンディングは好きなので、ルイサの秘密に関して感じたモヤモヤはまあよしとしましょう(笑)。
それから、俳優陣の演技という点では、フリオを演じるガエル・ガルシア・ベルナルがまたカッコいいんだ。「アモーレス・ペロス」 で彼を初めて観て以来、これはブレイクするぞ〜と思っていたんだけど、今回の若さ溢れる瑞々しい演技でますますファンが増えるね。
まあ、のっけから濃厚なSEXシーンが繰り広げられ、その後も"性"に関する描写が結構キツかったりするから、もしかしたら女性は少年たちには共感できないかもね。だって彼らの頭の中は"あれ"ばっかしなんだもん(笑)。だけど、所詮10代の男の子の頭の中ってそんなもんよ。あたしだってそうだったし(爆)。