月のひつじ
「宇宙への夢。羊も僕も一緒に夢見る。」
オーストラリアの田舎町パークスにそびえ立つパラボラアンテナは、アポロ11号の人類初の月面歩行の映像をとらえ、かつて見たことのない歴史的映像を世界中にTV中継するという任務があった。しかも生放送で。しかし、こんな世界的規模の巨大イベントには、必ずといっていいほど大きなアクシデントが起きていく・・・。
アポロ11号の月面歩行が実現した1969年7月。あたしはこの世に生を受けてはいたけど、まだまだ幼少。だからリアルタイムでこの出来事を体験したという記憶はないし(ってゆうか、もしかしたら我が家にTVなかったのかも)、あくまで後追いの体験。そして当然のことながら、この作品を観るまでその映像を全世界に配信したのがオーストラリアの片田舎にあるパラボラアンテナ(=THE
DISH)だったなんてことは全然知らなかった。この作品は、その実話を基にして、それを取り巻く人々の姿を描いたハートウォーミングな"しみほの映画"だ(タケヤン隊長、使わせていただきました(笑))。
大体にして、あたしってこういう実話モノに弱いんだよね〜。アポロ11号の偉業を陰で支えた名もなき科学者たち(パラボラアンテナの所長を演じるサム・ニールの抑え目の渋い演技が光る)。そんな彼らの成功を心から願う町の人々。そして随所に挟み込まれるワクワクするような当時の映像。突然の停電(一時アポロ11号を見失ったり)や強風、NASAから派遣されたエリート科学者と地元科学者たちの反目などのアクシデント、トラブルを乗り越えて、いよいよ中継の瞬間。町の人が集まってTV中継に見入り、月面にアームストロング船長が第一歩を踏み出した瞬間の映像、そして彼が残した「これは人間の小さな一歩だが、人類にとっては大きな飛躍である。」の言葉をとらえたのが我が町のパラボラアンテナだと知ったときの歓喜の輪(そう、当初第一歩はNASA側で中継して、こちらでは途中から切り替えての中継という話だったのが直前で変更になったため、町の人たちはそのときまで知らなかったのだ!)。そのシーンを観たときは、あたしまで嬉しくて何だか飛び上がりたい気分になっちゃって(笑)。
確かに作品としてはかなり地味な部類に入ると思んだけど、それでもこれらのドラマに素直に感動し(名もなき人たちだって、こうやって偉大な歴史作りに参加できるんだよ!)、熱いものが込み上げてきた。悲しくもないのに流れるこの温かい涙、こういう温かい気持ちになれる作品に出会えるとホッとする。以前オーストラリアには行ったことがあるが、もし今後再び行く機会があれば、是非パークスに行ってパラボラアンテナをこの目で確かめたい。そしたらあたしも歴史作りに参加した気分になれるかな?(笑)