Laundry〜ランドリー〜

 「こういうの地球では「アイ」っていうんだよ。宇宙では知らないけどね。」
 コイン・ランドリーで働く純粋無垢な青年テル。そこに集まっては消えてゆく、悩みを抱えた人々・・・。ある日、謎めいたひとりの女性が現れワンピースを忘れて消えてしまう。テルは、彼女の忘れ物を届けに旅に出る―。
 いや〜、なんとも優しく、温かな気持ちになれる邦画(ロード・ムービー)の秀作。ここのところ結構精神的に疲れていたから、心が癒される感じが心地よく、しばらくその余韻に浸っていた。
 小さい頃マンホールに落ちて頭に傷を負ったことが原因となって今のような生活を送るテル。ある意味知的遅れが彼の純粋無垢なキャラを形作っているといってもいいだろう。そのようなキャラの設定の仕方が鼻につくという見方もできるし、あたしも実際捻じ曲がった性格の持ち主だから観るまではどうなのかな〜?って思っていたんだけど、そんなことは全然気にならずに最後まで観ることが出来た。
 これはひとえにテルを演じる窪塚洋介の演技が素晴らしいからに他ならない。自然で、「GO」 のときとはまた一味違ったホンワカした演技、そして嫌味のない演技に惹きつけられる。それと、水絵を演じる小雪。東京での恋愛に傷付き、それ以来心の中に悶々としたものを抱え、自分が嫌いで、自分を変えたいと願っているのに上手く前に踏み出せない。そんな誰もが一度は感じるような感情を見事に体現し、共感を呼ぶ。また、脇を固める内藤剛志がこれまたいい味を出している。彼の「俺は決して優しいんじゃない。そこのところを勘違いするな。ただ、お前たちのことがちょっと気に入ったんだ。」 というセリフがいいんだな〜。
 物語はテルと水絵、双方の視点から描かれ、ほのぼのしみじみと展開していく。そして、テルと触れ合うことで水絵も少しは変わっていくかに思われる。しかし、物語は起承転結の"転"に当たる部分であたしの予想だにしない方向へ進んでしまう(そりゃ確かに伏線は張ってあったけどさ)。このときは「え〜、それはないだろ!」って思ってしまったのだけど、変わらぬテルのピュアな心がしっかりとハッピーエンドに結び付けてくれる。甘いという声も聞こえてきそうだけど、この作品にはこういうエンディングしか考えられない。だって日常を舞台としているけど、これって一種のファンタジーだもん。邦画もまだまだ捨てたもんじゃないよ。

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