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猟奇的な彼女

 「好きってイタい!?」
 大学生のキョヌは、ある晩、地下鉄の中でベロベロに酔っ払った超美人な"彼女"と出会う。泥酔した"彼女"は、正気を失い倒れる間際にキョヌに向かって「ダーリン」と言い残す。そのため、彼氏に間違えられたキョヌは、"彼女"が起こしたある事件の後始末をさせられるハメになる。可愛い顔をして、「ぶっ殺されたい?」が口癖で過激な行動を繰り返す"彼女"のペースに飲み込まれ、困惑しながらも、いつしかどうしようもなくその魅力にひきこまれていくキョヌ。しかしタフでワイルドに見える"彼女"には、ある隠された切ない秘密があった・・・。
 インターネットに投稿されて話題になり、単行本化されてベストセラーになった作品の映画化。"猟奇的"といっても、決してホラーなどではなく、とにかく泣いて笑ってしっかり幸せな気持ちになれる素敵なラヴ・ストーリーだ。前半戦、後半戦、延長戦と工夫した構成、まずはこれが上手い。前半戦はとにかく笑いっぱなし。いきなり電車の中で"彼女"がゲ○するんだもんな〜。あんなにキュートな"彼女"が"汚れ"をやるなんて、まず日本では考えられないよ(笑)。その他タフでワイルドな"彼女"に振り回されるキョヌの姿が可笑しい。
 しかし、後半戦で徐々に"彼女"の心の中が見えてくるに従ってなんとも切ない気持ちになってきて、キョヌが"彼女"の見合い相手に"彼女"と付き合うときの心得を説く下りから涙がポロポロ。今まではただ単に"彼女"に振り回されているだけかと思っていたキョヌなのに、実はしっかり"彼女"のことを受け止め、あそこまで"彼女"のことを深く理解しているなんて、キョヌの"彼女"を想う気持ちが胸に迫ってきてこれはきたね〜。キョヌ自身も"彼女"と付き合うことでしっかりと成長していたってことなんだよね。
 で、お互いの書いた手紙をタイムカプセルに詰めて木の根元に埋めて別れた後に延長戦で語られる、キョヌに関しての"木"にまつわるエピソード、これにも涙ポロリ。そしてラスト。(ネタバレ気味なので以下伏字に)"彼女"と亡くなった"彼女"の彼の母親が会うシーンで、間違いなくここにキョヌが現れるであろうということは容易に想像が付いたんだけど、どうやってキョヌと元彼の母親を結びつけるのかと思ったら、ああきたか!って感じ。今までのストーリーの中にしっかりその伏線が張られていたんだよね。それを考えると、彼らの出会いの地下鉄の中で酔った"彼女"がキョヌに向かって「ダーリン」と呟いたのも納得がいく。上手いな〜。その前に地下鉄で彼らがすれ違っていたから、なおさら再会できたのが嬉しくて。ここでは号泣とまではいかないまでも、悲しくもないのにジワジワ、そして終いには涙ボロボロ。温かく幸せな涙とはこのことを言うんだろう。いや〜、素晴らしい作品だ。やはり、韓国映画は恋愛モノが特にいい。
 それにしても"彼女"を演じるチョン・ジヒョン、「イルマーレ」 のときにはやや線の細さが感じられたのが、ここでは繊細且つ大胆に等身大の女性の姿を演じていたのがお見事だ。これで完全にブレイクだね。
 そういや、スピルバーグ率いるドリームワークスがこの作品のリメイク権を獲得したとのことだけど、ハリウッドでこの作品がリメイクされたら、あたしの苦手な思いっきりベタな恋愛映画になってしまいそうな気がするんだけど、そう思うのはあたしだけ?(笑) 

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