ユージュアル・サスペクツ

 「見破りますか?だまされますか?」
 見事なまでにだまされた、大どんでん返しの驚愕のストーリー。何度も見るとますますハマっていくのだ。
 カリフォルニア州サンペドロ港に停泊中の貨物船が大爆発、27人もの死者が出るという事件が発生。生き残ったのは2人。身障者のヴァーバル・キントと全身大火傷で虫の息のアーコシュ・コバッシュ。
 捜査官のクイヤンはヴァーバルを尋問して事件の真相に迫ろうとする。一方、FBI捜査官のジャック・ベアはコバッシュの口から伝説のギャングで、その存在自体が伝説になっている謎の人物、"カイザー・ソゼ"の名を聞き驚愕する。それならいっちょ似顔絵作りにでも協力せんか、ということで虫の息のコバッシュにソゼの似顔絵作りへの協力をさせる。
 さて、ヴァーバルの話は6週間前のN.Y.に遡る。強盗事件の容疑でヴァーバルを含めた5人の男たちが逮捕され、釈放後、チームを組んでいくつかの事件を起こした後、"コバヤシ"なる弁護士から9100万ドルの麻薬取引現場の襲撃を依頼される。これは"カイザー・ソゼ"の意向だということで、ソゼにそれぞれ"借り"がある彼らは従わざるを得なかった。
 そして事件当日、貨物船を襲撃するも麻薬などどこにもなく、そのうえ現場で次々と仲間が殺られ、中心人物であるキートンまでもが最後にはソゼに撃たれてしまって船は爆発炎上。とのヴァーバルの話にも、かねてからキートンに目をつけて追いつづけているクイヤンは"ソゼ=キートン"との図式が頭から離れず、ヴァーバルを問い詰めた結果、最後にはヴァーバルから「全部キートンが仕組んだことだ。」との供述を引き出す。
 しかし、話はここで終わらない。警察の保護下に置かれることを拒むキートンが警察署から出ていった後、「ほ〜ら、やっぱ"ソゼ=キートン"じゃん。」と御満悦で部屋の中を見まわすクイヤンはあることに気付いた瞬間、「え゛っ!」って固まってしまう。そして、時を同じくしてコバッシュに協力させて作成したソゼの似顔絵がFAXされてくる。そこに描かれていたソゼの顔は・・・。
 一度見ただけではどこまでがホントでどこまでがウソなのか、話がこんがらがっていて正直分かりにくい。でも、結末を知った上で何度も見返すと、よく練られた脚本、そこかしこに仕掛けられた伏線、それぞれがジワリジワリと効いてきて、飽きることなく何度でも見たくなる作品だ。
 登場人物もそれぞれがみな個性的で、特にヴァーバル役のケヴィン・スペイシーが素晴らしい。尋問の部屋に入って部屋の中を見まわす表情、ヴァーバル(おしゃべり)・キントだけに、"カイザー・ソゼ"についてなんとも得意げ(?)に話す表情、涙ながらに「全部キートンが仕組んだことだ。」と訴える表情、そして警察署を後にしてタバコを吸うときにフッとみせるあの表情(このシーンがこの作品で一番好きなシーンだ)と、変幻自在といおうか、いろんな顔を使い分けている。ケヴィン関連のサイトのBBSでもカキコしたけど、彼の映画登場キャラの中でこのヴァーバルが1番好きだ。
 それにしても、最後の最後で"カイザー・ソゼ"の正体が明らかになるわけだけど、彼はこの後一体どこへ行くんだろう?この事件自体が彼の存在を分からなくするために仕組まれたのなら、やっぱ「そして、フッと消える。」のかな・・・!?

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