ヤァヤァ・シスターズの聖なる秘密

 「知らなかった。母になる前の、母のこと。」
 女流劇作家シッダはインタビュー記事が原因で母と大ゲンカ。そんな母娘の仲裁を務めようと、母の大親友3人組"ヤァヤァ・シスターズ"がやってきた。彼女たちとの交流をとおして、シッダは母の意外な秘密を知る・・・。
 しっかり笑わせてくれて、最後にはホロリとさせられる、なんとも心温まる母と娘の物語だ。ちょっとした誤解から仲違いして、今までお互いの心の中に鬱積したものが爆発するかのごとく険悪な関係になる母と娘。そんな彼らの中を仲裁しようと乗り出すのが母の少女時代からの親友、"ヤァヤァ・シスターズ"の面々。娘を強引に拉致して一緒に過ごす中で、母が今まで生きてきた人生における夢、恋、喜び、悲しみ、苦しみ、葛藤などが徐々に明らかにされ、それが娘の心にジンワリと染み渡っていくのが手に取るように分かる。この辺の観せ方が非常に上手い。思わず観ているこっちもサンドラ・ロック演じるシッダの気持ちと同化するかのごとく母ヴィヴィの人生に思いを馳せる。彼女も母親である前にひとりの女性であり、当然のことながらひとりの生身の人間なのだ。戦争により婚約者を失い、その後結婚して4子を授かるも、酒に溺れ子供たちとの接し方に悩み、現実から逃げ出したくなる。人生は決してそんな甘いものではなく、山あり谷あり、自分だけが苦しいのではない。だけどこの作品では苦しいことだけでなく、深夜のドライブや母子で飛行機で大空を飛び回るエピソードなど、所々に輝いていた日々の楽しかったエピソード、登場人物による気の利いた会話が挟み込まれるために、全然ジメッとした雰囲気にならず、過去をしっかりと受け止め、未来へ進もうという気持ちになれる。
 また、何よりも素敵なのがヴィヴィを演じるエレン・バースティンやマギー・スミス(常に酸素ボンベを手放せないというのが年齢を感じさせてなんとも(笑))、フィオヌーラ・フラナガン、シャーリー・ナイトの"ヤァヤァ・シスターズ"の面々。年を重ねてもチャーミング。彼女たちの友情を超えた"絆"の強さ、困難を乗り越えたからこそ、その過去を笑って話せる強さに、観ているこちらも元気をもらえるような気がする。
 ちなみに、彼女たちの少女時代、若き日、そして現在とそれぞれ3人の異なる女優が演じているのだけど、顔かたちは違うのに、何の違和感もなく観ることができる。これはもう彼女たちの演技力の賜物としか言いようがないだろう。ヴィヴィの若き日を演じたアシュレイ・ジャドの葛藤を続けるいわば鬼気迫る演技なども見所十分。彼女たちのほかにも、ヴィヴィとシッダを静かに見つめる父親役のジェイムズ・ガーナーも含めて、芸達者たちの自然な演技はどれも素晴らしい。
 そして、オープニングとエンディングに、時代は違えど"ヤァヤァ・シスターズ"の儀式を持ってくる構成もお見事。さ、皆さんもご一緒に"ヤァ・ヤァ!"

や〜わの目次へ   INDEX